2022/10/19 17:03


今朝6時前にランニングに出かけました。

気温は7℃・・

いよいよ一桁の気温になり、手袋なしでは手がかじかんで、大変でした。

もうすぐ零下5〜10℃まで下がるのかと思うと、ランニングが億劫になってしまいます。

でも「腹筋が6パックに割れるまで・・」という高いハードル目標を設定したので、この冬も頑張らねば・・(笑)


これだけ冷え込んでくると、やっぱり燗酒の晩酌が恋しい。いつになったらドクターストップがかかった晩酌を呑めるのやら?


さて今回は日本酒の醸造法について少し解説。


*「きもと」「山廃」と「速醸」


日本酒の醸造法の背景にある微生物たちの奇跡的共演を想像すれば、きっと心揺さぶられずにはいられない!

その醸造法の違いを理解すれば、もっと純米燗の世界のぬかるみにはまっていくはずだ。


"速醸仕込み"(現在の一般的手法)

人為的に乳酸添加する安全な醸造方法。

現在の一般的な酒造りの方法。酒母(もと)に人工的に乳酸を添加し、その酸で酵母を他の雑菌から守りながら育成する。この方法なら、ほとんど腐造の危険性は無く安全なので、大部分はこの仕込みで醸される。安全で綺麗な日本酒になる。


"きもと仕込み"

「天然の乳酸菌」を取り込む醸造方法。

酒母(もと)の中に自然界の乳酸菌や硝酸還元菌が順繰りに発生しない場合には、腐造の危険性が付きまとう。しかも、山卸し(櫂で酒母を摺る作業)など昼夜を問わない大変な労力と時間と技術を要する。微生物たちの複雑な営みにより、奥深い複雑な味わいを期待出来る。


"山廃仕込み"(きもと系)

「きもと」の山卸し(櫂で酒母を摺る)を廃止した仕込み。

きもと同様に天然乳酸菌を取り込むが、きもと仕込みの重労働のひとつの山卸しを廃止し、主に暖気樽(「だきだる」と呼ばれる湯の入った樽)を酒母に入れ、その温度調節で、麹の酵素力を引き出し、米を溶かす仕込み。一般的には、太めで複雑、特徴的な酸がでやすい。


"速醸仕込み"

「日置桜 純米吟醸伝承強力R 2BY」

6号酵母で醸した伝承強力は、オレンジを彷彿させる酸が鮮明に出現する。旨味は奥行きがあり複雑で、それにオレンジのような酸が絡まり、立体感ある味わいを構成し、バランスが絶妙で秀逸! 味の輪郭がクッキリとして強い酒質だ!

6号酵母と強力米って、凄く相性が良いと個人的にずっと思っており、吞むだけでワクワク感あふれる酒質になっている。


https://donsayo.buyshop.jp/items/44603431


"きもと仕込み"

「辨天娘 きもと玉栄純米H30BY20番娘」

乳酸系の爽やかな香りと栃餅様の熟成香をわずかに感じる。口当たりは、とても優しく、落ち着いた上品な旨味に静かに酸がキレる。静かな湖面にそよぐ優しい風の如く癒される。この包み込むような優しさとクールな佇まいこそ辨天娘たる由縁。理知的でありながら優しく微笑む貴婦人のようだ。余韻は爽快感と安寧に包まれる。


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"山廃仕込み"

「奥播磨 山廃山田錦純米8割精米H30BY」


上立ち香はほとんどないが、含み香はバナナを連想するような含み香と黒糖様の熟成香がわずかにある。山廃独特の乳酸由来の酸が根幹にあるのだが、奥播磨の他の純米酒の太い酸に比べると、上品で爽やかである。旨味成分も上品に口中に広がり、あとに残る多少の渋味もアクセントになり、すべらかだ。8割磨きとはいえ、吟醸の風格さえ漂うコストパフォーマンス抜群の純米酒。


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