2022/11/05 15:45
日本酒の「酒造年度」表記について
*「酒造年度」を表示する純米酒の価値
一般的に日本酒に表記している「製造年月」は、瓶に詰めた年月日を表示しており、「酒造年度」とは別物です。
「酒造年度」とは、その日本酒が仕込まれた(醪もろみから搾られた)年をあらわします。
表示は「H20BY」というように表記され、これは平成20年7月~平成21年6月の間に搾られた日本酒であることを意味します。
この酒造年度の表示を記してある純米酒は、熟成により美味くなっていく純米酒、言い換えれば、醪(もろみ)の糖分をアルコールへ完全発酵させた辛口の純米酒であることを蔵元様が主張しているとお考えください。
なぜなら昨今、まだ醪から搾られてすぐの新酒の生酒が一番美味しいような誤解があります。
これは「生ビール」が大盛況となり、日本酒も「生の新酒」と言えば売れるんじゃないかというような蔵元の戦略として流行っていったからです。もちろん市場に支持され人気の「搾りたて生酒」を味わいのピークにもっていくように酒質設計されたお酒が多いので、それは年間の販売計画として必要な商品でもあります。
ただ、基本的に熟成に耐える完全発酵の日本酒の場合は、寒い時期に搾った純米酒を火入れする事により、ひとまず酵母や火落ち菌などの繁殖を止めて貯蔵し、暑い夏を越した秋以降からその調熟作用で味がのってきて美味しくなるのが昔ながらの本来の純米酒の姿なのです。
このような腰の強い純米酒なら「搾りたて」の場合、渋さが際立ち抑揚のない平坦な味わいになることが多いです。いわば新酒といわれる状態の純米酒は半製品なのです。ですから、私たち酒屋はこの渋い新酒を呑んで一年後、二年後の味の開き具合を想像し、酒の造りと味わいの良し悪し、そして秘めたポテンシャルを判断することはあっても、新酒を美味しいと思いながら呑むことはまずありえませんでした。
しかし現在の進化した酒造技術では、「搾りたて」でも美味しく呑むことと、10年後の熟成の味わいをも見越して醸されている純米酒も多くなってきました。各蔵元さま達の飽くなき醸造技術の探求心には頭が下がります。
さて、新酒崇拝の昨今の状況からすると、H19BYとかH18BYとか古い酒造年度を表示すると、お客様に劣化した日本酒だと烙印を押されるような危険性をも、はらみます。
実際我々酒屋も火入れ酒であっても、製造日から1年が賞味期限の目安だとお客様に教えてきた事実もあるので、大いに反省せねばなりません。
(大手の名の知れたブランドの清酒の多くは「造りが弱い」ために1年を待たず劣化がはじまっているということは否めないことを付け加えておきます。)
このようなリスクをおかしながらも「酒造年度」を表示している純米酒は、熟成に耐え得る強い酒質だと蔵元が主張しているとみなしてください。
純米燗伝道師としては、「熟成純米古酒」の市場の認知度を向上させて、さらなる高付加価値がついていくべきだと考えています。
そんな「酒造年度」を表記した「睡龍」を紹介します。
「睡龍 純米酒H 27BY」
ほのかに黒糖にも例えられる熟成香がある。熟成の米の旨味を感じつつ、まだまだ若い酸が、キレ良く辛口へと導いていく。まだ余韻には渋味もある。
時間と共に移ろいゆく味わいの中で、まさに、この一瞬しか味わえない、その味わいを愉しみたい。そんな気持ちにさせる。
https://donsayo.buyshop.jp/items/44603556
「睡龍きもと純米H 25BY」
黒糖・ナッツにも似た熟成の香りが強く、食欲をそそられる。私だけかもしれないが・・(笑) 兎に角、香りはバリバリに熟成感を漂わせている。
口に含むと、その香りに違わぬ古酒特有の凝縮感あふれる強い旨味が立体的に現れる。口中で温度が高くなってくると、酸がたち、余韻はスッキリとはねる。透明感のある睡龍の古酒の中で、この古酒は、熟成過程が少し異質に感じる部分もあるが、この濃い旨味が集積する熟成感も個人的に大好きだ。
https://donsayo.buyshop.jp/items/44603557
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