2022/11/16 15:17


「日本酒のテロワールについて」

 

ひとつのブドウ畑をとりまく自然環境の様々な状況、要因(気象状況、土壌、地形、標高など)を「テロワール」と呼びます。

フランスの「原産地統制名称法」の礎となっており、特定の地区の特定の畑のブドウから特定の人の手によって醸されたワインは、特定の個性を有するという考え方です。

 

兵庫では、「兵庫テロワール旅」ということで、兵庫県の各地の特産品のテロワールにスポットを当てたツアー企画が実施されています。

https://www.hyogo-tourism.jp/terroir/about/


「日本酒」に限っていえば、「米の種類」「米の産地」「米の栽培者名」「タンク番号」「醸造法」「酵母の種類」などが記載されることが当たり前になってきているので、「いまさら感」を感じずにはいられないですよね。




しかし、色々な特産品の産み出される背景にスポットが当たることで、商品の「付加価値」が急騰することになるので、喜ばしいことではあると思います。

ただ同時に、我々販売員がどこまで、テロワールを語ることができるのか? その商品知識、商品の背景にある物語を語る能力をより一層問われる時代になってきました。

我々販売員よりも、商品のコアなファンである消費者のほうが、当該商品について、より知識を有するという逆転現象が起きている状況も散見できます。

常に貪欲に、専門分野の商品について勉強することで、商品のコアなファン層をも唸らせる情報提供をしていくことこそが「付加価値」だと思い精進する今日この頃です。 

(純米燗伝道師:赤松儀和)


そんな「テロワール」の表記があるのが、「辨天娘」や「日置桜」です。

裏張りは情報の宝庫です。


「辨天娘きもと玉栄H30BY20番娘」

20番娘とは、20号タンクのこと。

乳酸系の爽やかな香りと栃餅様の熟成香をわずかに感じる。口当たりは、とても優しく、落ち着いた上品な旨味に静かに酸がキレる。静かな湖面にそよぐ優しい風の如く癒される。この包み込むような優しさとクールな佇まいこそ辨天娘たる由縁。理知的でありながら優しく微笑む貴婦人のようだ。余韻は爽快感と安寧に包まれる。


https://donsayo.buyshop.jp/items/44603445


「辨天娘きもと強力純米H30BY 22番娘」


きもと特有の乳酸系の含み香が爽やかで、バニラの様な含み香もあり癒される。第一印象は、まろやかで優しく奥行きある旨味に、柑橘系の酸が心地よくコラボして、キレる酒質。口中で温まるほどに、まろやかな甘味と旨味の奥行きが広がり深まる。のち渋味。この多重構造の味わいの複雑さこそ辨天娘の「きもと」純米酒の本領と言ってよいだろう。


https://donsayo.buyshop.jp/items/44603444


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