2022/11/25 16:20
爽快、軽快な「きもと」を体現・・「大正の鶴 百万年の一滴きもと純米雄町2020BY」
昨日、お客さまより電話でお問合せがありました。
「"名もなき郷"って言うお酒の"火入バージョン"は、もう発売されましたか?」
一瞬ピンと来ず、
「何の事だっけ?」
と固まってしまったのですが・・・
そう、思い出しました。
落酒造場(岡山県)が初めて醸した「きもと雄町純米」の"試験販売生酒バージョン"の名前でした。
このお酒をお買い上げのお客様には、2〜3年後に熟成して味がのってきたら、「火入バージョン」を本格的に発売しますので、お楽しみにお待ち下さい、
と伝えていたので、それを憶えていてくださったのでした。
ありがとうございます。
そう、それこそが今日紹介させて頂く「百万年の一滴」なのです。
まだ若さがあるものの二年の熟成期間を経て、旨味も上品にのって新登場しました。
「大正の鶴 百万年の一滴きもと純米雄町2020BY」
「きもと」特有の乳酸系の爽やかな香りが鼻孔をくすぐりワクワクする。口に含むと、穏やかで上品な旨味を感じ、温まるほどに膨らむが、期待値の手前で伸びが止まるのが口惜しい。すぐに柑橘系の酸が追いかけてきて、渋味とともにキリッと引き締まった強い酒質と透明感を演出する。「洋ナシ」に「甘い夏みかん」を足して2で割ったようなイメージの余韻がある。もっと旨味が開く1~2年後の酒質が愉しみだ。
燗につけると、旨味がより凝縮してバランスが良くなり、滋味深い。燗冷め燗も面白い。
https://donsayo.buyshop.jp/items/63615797
* 「きもと」「山廃」の世界
(そのスッキリ繊細な酒質を味わう)
その奥行きある味わいの背景にある微生物たちの奇跡的共演を想像すれば、きっと心揺さぶられずにはいられない!
速醸仕込み
人為的に乳酸添加する安全な醸造方法。
現在の一般的な酒造りの方法。酒母(もと)に人工的に乳酸を添加し、その酸で酵母を他の雑菌から守りながら育成する。この方法なら、ほとんど腐造の危険性は無く安全なので、大部分はこの仕込みで醸される。
きもと仕込み
「天然の乳酸菌」を取り込む醸造方法。
酒母(もと)の中に自然界の乳酸菌や硝酸還元菌が順繰りに発生しない場合には、腐造の危険性が付きまとう。しかも、山卸し(櫂で酒母を摺る作業)など昼夜を問わない大変な労力と時間と技術を要する。
山廃仕込み(きもと系)
「きもと」の山卸し(櫂で酒母を摺る)を廃止した仕込み。
きもと同様に天然乳酸菌を取り込むが、きもと仕込みの重労働のひとつの山卸しを廃止し、主に暖気樽(「だきだる」と呼ばれる湯の入った樽)を酒母に入れ、その温度調節で、麹の酵素力を引き出し、米を溶かす仕込み
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