2023/02/18 16:15


これを呑んで春を迎えに行こう

「忠臣蔵きもと雄町純米」


早瀬土人形の純米燗金太郎です。


昨日は、「牡蠣パーティー」に合わせる日本酒が欲しいというお客様が偶然2組ご来店されました。

相生の牡蠣か、赤穂坂越の牡蠣か、日生の牡蠣か? そこまで細かく訊いていませんが、羨ましい限りです。


そんなミルキーで、潮のミネラル感溢れる牡蠣に合わせるなら、赤穂で醸された、この「きもと」のお酒をお薦めします。

牡蠣の旨味を増幅しながら、高揚感も倍増させますよ。


「忠臣蔵きもと雄町純米」


きもと仕込みらしい乳酸系の爽やかな含み香と、わずかに黒糖の様な熟成香を感じる。奥行きある複雑な旨味が広がり、酸は太めで、キレとコクを演出する。熟成により練れてきており、酸と旨味のバランスが良く、滋味深く落ち着いた酒質だ。

燗につけると、旨味がより深く、キレキレの酒質に・・。


https://donsayo.buyshop.jp/items/56473246


 「食中酒としての日本酒の立ち位置について」

 

日本酒と料理との相性を語られる事は多い。

しかし、その時の日本酒の温度について語られることは少ない。

 

カプロン酸エチルの香りの強い吟醸酒をキンキンに冷やして、ワイングラスで振る舞ったのか・・・

50度の燗につけた純米酒を平盃で合わせたのか・・

はたまた、15度の常温の日本酒を御猪口で料理に合わせのか・・

 

温度によっても、呑む器によっても人の味の感応のしかたは変わる。

 

たとえばワインの質に追いつけ追い越せと醸される吟醸香の強い吟醸酒だが

これは単独で呑むもので、ワインでいえば、貴腐ワインやスパークリングワイン系だよね。

料理に合わせて呑むことを前提に造られる食中酒のワインとは、比較対象にならない。食中酒のワインの複雑な酸やミネラルの質、渋味の強さなど、日本酒と、全く別物だし・・・ね。


華やかな大吟醸酒が料理にマリアージュできないのは、あのプンプンする品の良い?香り(吟醸香)と、温度が低すぎるからだ。

カプロン酸エチル(吟醸香)のたちすぎる吟醸酒は、冷たくしないと呑めない。

言い換えると、燗酒では呑めない。

そんな日本酒としての柔軟性が半分しかない日本酒を食とのマリアージュに優れていると吹聴しながら海外に普及させていこうとするのは、いかがなものか?

 

食中酒として日本酒と料理の相性を語るなら、やっぱり燗酒でしょう!

まず最初に、海外の人には、純米酒を温めて燗で呑む文化・・・


すなわち純米燗の文化を広めていくべきだと思う


そうじゃなきゃ海外のかたに日本酒は永遠に理解されないだろうね。

 


やっぱり純米酒の良さは、冷やから燗まで幅広い温度帯で愉しめることであり、特に40~60度に温めると最高のポテンシャルを発揮すること・・・

ここがワインと決定的に違うところだとアピールすべきだ!


というのも、この40~60℃という温度帯で、人間の味覚は、

日本酒の旨味や甘味を最大限に感じられるためだ

例えば

味噌汁は、温かいときは甘味・旨味を最大限に感じられ美味しいが、

冷えると塩っ辛さばかりが際立ち呑めなくなってしまう。

そんな経験を皆さんしたことがあると思う。

そう言った人間の味覚的特徴も踏まえたうえで、日本酒がワインに対抗し、特徴をだせるところ・・・料理ともマリアージュできる呑み方、それが燗酒文化だ。


そして、やっぱり日本酒はワイングラスには合わない。

「お猪口」や「盃」で、温めて呑むものだ・・と海外の人の潜在意識に植え付けたいなぁ。


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