2024/09/28 14:20


中硬水で醸す・・

「大正の鶴 R IS I NG赤磐雄町純米2019BY」


純米燗金太郎です。


大正の鶴を醸す落酒造場は岡山県真庭市にあります。

近くには鍾乳洞が多いため、地下水から汲み上げる水は、ミネラル分の多い中硬水となります。

そんな中硬水を使用し、お米は、雄町米の特A地区に相当する赤磐市産の赤磐雄町米で醸したのが、このお酒です。

中硬水の水で醸すその酒質は、酵母が圧倒的に元気で、強健であるがゆえ湧きが旺盛になり、完全発酵となりやすく、長期熟成に耐える強さがあります。

例えば、落酒造場が醸した30年熟成大古酒は、30年以上の熟成期間を経てなお、渋味もあり、熟成の余地を十分に残すポテンシャルを持っています。

そんな落酒造場の燗酒は、滋味深く、落ち着いた味わいで、人を魅了して止みません。

今晩の晩酌は、是非コレに!


「大正の鶴 R IS I NG赤磐雄町純米2019BY」

(やさしく、ふくよかな旨味)

黒糖・カラメルの様な熟成香はわずかにある。キリッと引き締まった強さを感じるのが大正の鶴の酒質の特徴だが、これはアタックで赤磐雄町米の柔らかく優しい旨味が前面に出て、穏やかな印象を受ける。奥行きある味わいだ。そして後半に酸もしっかり立ってスッキリと引き締まる。余韻は葡萄酒の様なニュアンスの酸のキレと渋味がある。

燗につけると、旨味と酸のバランスが俄然良くなり、上品で優しく、滋味深い。


https://donsayo.buyshop.jp/items/45574193


*「滋味」とは・・・

味覚は、甘味・塩見・苦味・酸味・旨味の5味が広く知られるが、第6の味覚とも呼ばれるのが「滋味」だ。一般的な意味合いでは、「栄養豊富でうまい味。」「ゆっくり味わうことで醸し出される味や雰囲気。」「持ち味がにじみ出ることによって感じるおいしさ。」などと解される。派手さはないが精神的に落ち着ける味わい、それが「滋味」。


【完全発酵純米酒とは??】

発酵途中(酵母の活動途中)で、醸造用アルコールや調味液(糖類など)添加をして、酵母の活動を止めるベトベト甘い日本酒が大手の日本酒だ。酵母が自ら作り出したアルコールにより死滅する寸前まで、米のデンプンを糖化させたブドウ糖などを酵母に食わせてアルコールを極限まで高めるような醸造法により純米酒を搾ると、余韻にベタベタした甘味が残らず、スッキリとした日本酒になる。完全発酵純米酒には日本酒度が「+20」前後までキレた純米酒も多い。搾りたては、余韻の渋味が強いが、これを1年、2年、10年と熟成させると旨味が凝縮しながらもキレのある日本酒になる。こんな熟成に耐え、温度変化にも味の骨格が崩れない(「冷や」でも「燗」でも、「燗冷め」でも美味しい)強い酒質の純米酒を「完全発酵純米酒」と言う。これこそが日本酒の原点だ。


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